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セルフ・パブリッシング(自己出版)の基本について──KDPパブリッシングサイクルー2

2014.11.07

前回、KDPパブリッシングサイクル-1では、出版準備の中で最も重要な、出版用アカウントについて見て来ました。

今回も引き続き、個人がセルフ・パブリッシング(自己出版)で、AmazonのKDP(注)から電子書籍を出版する場合の実際の流れはどうなるのか、また各工程で注意すべき点はどんなことなのかについて、詳しく見て行きたいと思います。

(注)KDP ──Kindle direct publishing(キンドル ダイレクト パブリッシング)の略で、Amazonの電子書籍出版サービス。2012年10月、このサービスが日本でスタートしたことにより、個人が誰でも自由に、しかも無料で電子出版が出来る時代の幕開けとなった。

 

 Amazonから電子出版する場合、電子書籍作家は一定のルールに沿って進めていく必要があります。まず、次の図をご覧ください。

【Amazon KDP パブリッシングサイクル】

KDPpablishingAmazon KDP パブリッシングサイクルより

ご覧の通り、Amazon KDPパブリッシングサイクルは、全部で9つの工程から構成されています。夫々の工程の意味をしっかりと把握することで、スムーズな電子出版を行うことが可能になります。

それでは、KDP パブリッシング サイクルー2のポイントについて見て行くことに致しましょう!

 

1.KDP パブリッシング サイクルー2(前半)

 

KDPパブリッシングサイクル2は、本の詳細情報を入力し、Kindle本に変換するコンテンツをアップロードする」です。

ここで言う“本”とは、あなたが発行する電子書籍を指します。Amazon Kindleストアから、あなたの本を電子出版するには出版用アカウント(注)を使って、出版に必要な情報を入力する必要があります。

(注)出版用アカウント ──前回詳しく、その作り方を見て来たAmazon KDPのアカウントです。既に出版用アカウントは作成済みの前提で、話をすすめて行きます。もし、まだの方は予め出版用のアカウントを取得し、その画面を見ながら必要箇所を確認されて行かれることをおすすめ致します。

さて、このサイクル2では、あなたが実際に作成した電子書籍のデータファイルを、必要な情報を入力してAmazon KDPにアップロードして行く作業になります。

まず最初に、本の詳細情報の入力に必要な各項目とポイントについて解説して行きます。

 

1-1.KDPセレクトの登録について

アカウントを取得したKDPのページを開き、上部の4つのメニュー(本棚・レポート・コミニュティ・KDPセレクト)から、「本棚」を選んでください。初めての場合は、まだ本がありませんので、画面の中の「新しいタイトルを追加」をクリックします。

新しいタイトルを追加キャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

KDPの本の詳細情報の入力画面が開きます。最初に見えるのが、「KDPセレクトの公開」の画面です。

KDPセレクトキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

最初から、なんだかよく分からない内容がいっぱい書いてあり、困惑してしまう方も多いかもしれません。

このメッセージが意味することは、Amazon KDPが提供する著者・作家向けの各種サービスを利用するかどうかの確認になります。

最初に結論から言いますと、最後の「KDPセレクトを登録する」にチェックを入れることをおすすめ致します。

このKDPセレクトは、90日間の自動継続システムです。一度登録すれば、その電子書籍はKDPセレクト扱いを受け続けます。もし、不要になった場合は、継続の更新を出版した電子書籍毎に後から外すことが出来ます。

KDPセレクトのサービスの中には、また日本国内ではオープンしていないサービスも含まれますが、Kindle本は自動的に外国でも販売される仕組み(販売しない地域を選択することも出来ます)ですので、外国に住んでいる日本人が利用することが考えられます。

また、出版した電子書籍に関する販売促進キャンペーンが利用出来るようになりますので、個人がセルフ・パブリッシング(自己出版)する場合の強い味方になります。この販売促進キャンペーンについては、別の機会に詳しく解説したいと思います。

 

このように、基本的にはメリットの方が多いのですが、デメリットもあります。それは、90日間はAmazonの独占販売になってしまうことです。あらかじめ、他の電子書籍販売プラットフォーム、例えば、楽天KoboApple iBook Store、Google Play Books等々で電子書籍を販売したい場合は、それが出来なくなってしまいます。あなたの電子書籍の販売戦略に基づいたKDPセレクトの選択をお考えください。当面、Amazonだけで販売できれば良いという場合は、「KDPセレクトを登録する」にチェックを入れましょう。

 

 

1-2.本の詳細入力その1

次に、本のタイトルを入力して行きます。入力するのは、「タイトル、フリガナ、ローマ字、サブタイトル」の4ヶ所になります。

本のタイトルキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

  • 「タイトル」──これは、あなたが出版する電子書籍のタイトルと同じにします。Amazonの販売ページに掲載される本のタイトルそのものですので、誤りがないか必ず確認するようにします。
  • 「フリガナ」──全角のカタカナで入力しましょう。特殊な記号は入力できませんので、ご注意ください。
  • 「ローマ字」──外国のAmazon販売サイトで表示されるタイトル名を意味しています。よって、項目名どおりローマ字で入力してしまうと、意味不明のタイトルになってしまいます。外国で売れるかどうかは別にして、ここはきちんとした英語で入力しておきましょう。
  • 「サブタイトル」──ここは特に販売ページに表示させたい場合を除き、空欄のままで良いでしょう。本のタイトルが長めの場合、煩雑になりタイトルの印象が薄くなってしまいます。一方、タイトルが短めの場合や、分かりにくい場合は、効果的な使い方が出来るでしょう。ケースバイケースでご判断ください。

このパートは、特に問題なさそうに見えますが、フリガナで意外に時間がかかるケースが見られます。直接入力するのではなく、事前にフリガナをメモ帳などのテキスト・エディタに下書きしてから入力されることをおすすめ致します。また、何度かエラーになってやり直しているうちに、既に入力した内容が保存されず飛んでしまう例も報告されています。転ばぬ先の杖として、入力内容をテキスト・エディタにバックアップしておきましょう!

 

 

1-3.本の詳細入力その2

続いて、シリーズのタイトルの入力です。入力するのは、「シリーズタイトル、版」になります。

シリーズタイトルキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

    • 「シリーズタイトル」──販売ページの本のタイトルの一番後ろに追加表示されます。通常の単行本でシリーズものではない場合の入力は不要です。

販売ページシリーズ名キャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

  • 「版」──最初の発行の場合、「初と1」を入力します。後日、改訂版を出した時には、「2(全角)と2(半角)」のように入力します。

 

余談ですが、電子書籍は簡単に修正版、改訂版をだすことが出来ます。その改定等が大幅なときは、Amazon KDPに申請して、改訂版が出たことを既存の読者に通知してもらうことが出来ます。しかし、“大幅な”改定とAmazonが認定しないと、その通知は出されません。必ず行われる仕組みではないのでご注意を。

 

 

1-4.本の詳細入力その3

次は、出版社名と内容紹介等です。入力するのは、「出版社名、内容紹介、著者、言語ISBN、ページめくり」になります。

出版社名キャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

    • 「出版社」──法人の方は、法人名を。また、個人の方はせっかくの機会ですから、電子出版ビジネスとしての屋号を入力しましょう。出版社のローマ字は、例によって英語で入力します。

内容紹介キャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

  • 「内容紹介」──販売ページに表示されるものです。購入するかどうかの判断材料になるところですので、ぜひ、しっかりと記載してください。かなりの文字数が入りますが、あまり多すぎるのも考えものです。読者に必要な情報を適切に提供することを意識して入力しましょう。ここも、あらかじめ下書きをしっかりと行っておくと良いでしょう。

こちらの「内容紹介」は、入力した通りに販売ページに掲載されます。よって、適当なところで改行するなど、読みやすさも考慮して編集してください。また、出版後に誤りを見つけた場合、出版後でも訂正が可能です。訂正データは通常ですと翌日には反映されています。

 

  • 「著者」──著者名を入力します。この名前に関しては、ローマ字で入力します。英語圏ではローマ字で表示されます。
  • 「言語」──出版する本の言語を選びます。英語圏の販売ページには、「Japanese Edition」と表記されます。

米国Kindle販売ページキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

  • 「ISBN」──正式な出版者としてISBNコードを取得すれば、電子書籍にもISBNコードを表記することが出来ます。雑誌形式等、ISBNコードが付けられない電子書籍もあります。詳細は、こちらの日本図書コード管理センターをご参照ください。ISBNコードは、電子出版の必須項目ではありません。あなたの電子出版の目的に応じて取得を検討しましょう。
  • 「ページめくり」──横書き縦書きを、本の書式に応じて選択します。

 

1-5.本の詳細入力その4

このパートでは、出版権利とカテゴリーを入力します。入力するのは、「パブリックドメイン、カテゴリー、対象年齢、検索キーワード」になります。

パブリックドメインキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

    • 「パブリックドメイン」──あなたが、これから出版する本の権利を持っているかどうかの確認になります。ご自身が著者であり、他に権利を持つ人がいない場合、 「これはパブリックドメインの作品ではなく、私は必要な出版する権利を保有しています。」にチェックをしましょう。

出版する権利とは、本を出版するのに必要な権利です。Kindle 向けの本を KDP を介して出版するには、電子書籍を出版するために必要なすべての権利を本の著者およびその他のコンテンツ作成者から取得している必要があります。自身が本の著者である場合は、必要な電子書籍を出版する権利をすべて保有している必要があります。

パブリック ドメインの本を出版する場合、著作権の期間は国によって異なるため、販売地域での権利を正確に指定してください (本がある国のパブリック ドメインにはあるが、別の国のパブリック ドメインにない場合は、販売地域での権利を適宜確認する必要があります)。完全にまたは主にパブリック ドメイン コンテンツから構成される本には、70% のロイヤリティオプションは適用されません。利用規約の詳細については、価格設定ページ利用規約をご覧ください。

本に著作権が設定されており、このコンテンツに必要な権利を保有している場合は、「これはパブリック ドメインの作品ではなく、必要な出版する権利を保有しています」を選択してください。本がパブリック ドメインの作品である場合、「これはパブリック ドメインの作品です」を選択してください。(Amazon KDPより)

 

  •  「カテゴリー」──読者が、あなたの本を探しやすくするために適切なカテゴリーを選択します。時々、あなたが選んだカテゴリーと全く違うジャンルに登録されてしまうケースがあります。この場合は、KDPに連絡をして変更することが可能になります。カテゴリーの選択に迷う場合、できれば、あなたの出版される電子書籍と同じジャンルの本と一緒のカテゴリーを選んだ方が検索されやすい傾向があります。事前に、同じジャンルの本を何冊か確認して、傾向を把握しておくことを強くおすすめいたします。
  • 「対象年齢」──本の内容により、適切な対象年齢を指定します。特に対象年齢を限定しない場合は、入力しなくても大丈夫です。子ども向けの本などは、きちんと設定しましょう。特に18歳未満の方に不適切な表現内容を含む場合など適切な対処が必要になります。
  • 「検索キーワード」──読者が検索する時の検索キーワードになります。7つまで指定出来ます。十分に考え、また実際にAmazonで検索してみるなどして、検索結果の傾向を把握しておきましょう。時として、あまり好ましくない検索結果になってしまうことがあります。あなたの本が、検索結果の中に並ぶことを想像してみましょう。電子書籍の場合、検索してヒットしなければ、その存在を知られる機会が著しく減少してしまいます。ここは、時間をかけて慎重に選択を行ってください。また、出版後の変更が可能です。実際に出版されてから検索してみて見直しを考えることも必要なことです。時間の経過にともなって、検索結果の状況が変化することも考えられますので、定期的な再検索で実態を把握しておくことも忘れないで下さい。

続いて、発売日のオプション選択をします。ここでは、「予約注文にするのか、すぐ発売をするのか」の選択をします。

発売日オプションキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

      • 「予約注文」──90日前から予約注文が出来ますので、あなたの出版計画に沿って選択します。特に90日前からのプロモーションを必要としない場合、「本の発売準備ができました」の方を選びます。この場合は、申請後すみやかに発売されます。Amazonの正式なアナウンスでは48時間以内の発売開始とされていますが、前日の午後にAmazonに出版申請した電子書籍が、翌日の朝には販売開始されていることが通例となっています。

 

2.KDP パブリッシング サイクルー2(後半)

 

ここまでは、電子書籍ファイルのアップロードに必要な入力データに関するパートでした。ここからは、いよいよ電子出版の要、アップロードのパートになります。紙書籍の出版で言えば、出来上がった完成原稿を印刷工場に持ち込み印刷する工程になります。

ここが上手くいきませんと、電子書籍にはなりません。しかしながら、紙書籍の印刷と違うところは、やり直しが何度でも出来るところです。アップロードしたものに不具合があれば、それを修正して再アップロードすることが出来ます。

完成原稿と思っていても、後で小さなミスが見つかることもあります。そんな場合でも、発売前に修正することも十分可能になります。はじめての電子書籍出版には、ミスがつきものです。修正する時間も考え、余裕を持った出版スケジュールを組み立てておきましょう。

 

2-1.表紙のアップロードを行う

実際に、アップロードするのは、「表紙、本」になります。まず表紙から見ていきます。

表紙本文アップロードキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

      • 「表紙」──電子書籍のファイルには、もともと表紙が含まれますが、ここではAmazonの販売ページに使われる「表紙」を指定します。もちろん、本の表紙と同じものでOKです。場合によっては、本の表紙とは異なる販売ページ用の表紙を、敢えて表示させることも可能です。

 

下記、推奨サイズを参考に、出来るだけ大きい表紙画像を用意します。また、表紙の作成は、出来るだけプロのデザイナーに作成依頼をすることをおすすめします。

理由は、表紙のクオリティは販売に直接影響を与えるからです。いわゆる“ジャケ買い”もありますので、出来るだけクオリティの高い表紙の方が良いでしょう。

いくら内容が良い電子書籍だとしても、“いかにも素人が描きました”的な表紙だと、本の内容まで疑われてしまう可能性を否定出来ません。本の表紙は、予算をきちんと確保し、プロに依頼する方向で検討しましょう。

今後、あなたの作家活動の中で、人生最初の1冊はいろいろなところで目にすることになります。なぜなら、電子書籍は、ネット上で自分の知らないところで紹介されたりすることも多いのです。

これはある意味、クチコミ効果が発生している状況なので好ましい傾向ではあるのですが、後で残念な表紙を目にして恥ずかしいと思うことのないよう、表紙だけはしっかりと作っておきましょう。

プロのデザイナーに外注する場合の表紙の仕様等は、こちらのページの内容をお伝えください。

 

• 短辺を 625 ピクセル以上、長辺を 1,000 ピクセル以上にします
• 画像の品質を最高にする場合は、短辺を 2,820 ピクセル長辺を 4,500 ピクセルにします

──Amazon KDPでの推奨サイズより、詳細はこちらでご確認を

 

 

2-2.本のアップロードを行う

続いて、本のファイルをアップロードします。

表紙本文アップロードキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

  •  「本」──あなたが作成した電子書籍ファイルをアップロードします。ファイル形式は、出来るだけクオリティの高いものを発売するためにMOBIもしくはEPUBをおすすめします。アップロードする際は、出版する電子書籍ごとに、デジタル著作権管理 (DRM) テクノロジを適用するかどうかの選択をします。

DRM(デジタル著作権管理)と は、本のKindleファイルを無許可で配布できないようにするためのものです。読者が自分の作品を他の読者と共有することを奨励し、本にDRMを適用し ない著者もいます。DRMを選択した場合でも、読者は本を別のユーザーに短期間貸し出したり、Kindleストアから別のユーザーへのギフトとして購入す ることができます。(短期貸出およびギフトは、日本市場未導入)
重要:一度本を出版すると、DRM設定は変更できません。

──Amazon KDPより

 

電子書籍ファイルを作成する際は、基本的にEPUB形式で作成しましょう。EPUB形式であれば、将来Amazon以外のプラットフォームで販売するときも移行がスムーズに出来ます。サポートされているファイル形式の詳細は、こちらで確認して下さい。 また、どんな内容でも出版が認められるわけではありません。一度、こちらのKDPコンテンツガイドラインを参照して確認しておきましょう。

 

アップロードが成功すると、KDPの画面はこのような表示に変わります。

アップロード成功キャプチャ

・参考イメージ:Amazon KDPより

 

「本のアップロード」は、少し時間がかかりますので、落ち着いて行いましょう!

 

以上で、KDPパブリッシングサイクルー2の完了です!

 

 

まとめ

今回見て来ました「KDPパブリッシングサイクルー2」は、電子書籍を出版する工程になります。まるで、自宅に印刷工房を持つ、そんなイメージです。入力箇所が多く、一見すると難しそうですが落ち着いてやれば大丈夫です。

はじめての電子出版の場合、入力画面の求める意味が分かりづらいこともあるでしょう。その際は、こちらのページをご覧いただき、入力項目の内容や意味を確認しながら進めてみましょう。

一つ一つ丁寧に進めて行けば、確実に出版できますが、くれぐれも時間だけは余裕をもって取り組むようにして下さい。

本のアップロードが完了したら、次のステップは、本のプレビューです。こちらも、電子書籍のセルフ・パブリッシングには欠かすことの出来ない大切なポイントになりますので、しっかり解説させていただきます。

 

■「セルフ・パブリッシング(自己出版)の流れについて──KDPパブリッシングサイクルー3」へ続く>>

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