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セルフ・パブリッシング(自己出版)の基本について──KDPパブリッシングサイクルー3

2014.12.01

前回、KDPパブリッシングサイクル-2では、電子出版する本の詳細情報を入力する方法と、本のデータをアップロードをする方法について見て来ました。

今回も引き続き、個人がセルフ・パブリッシング(自己出版)で、AmazonのKDP(注)から電子書籍を出版する場合の実際の流れはどうなるのか、また各工程で注意すべき点はどんなことなのかについて、詳しく見て行きたいと思います。

(注)KDP ──Kindle direct publishing(キンドル ダイレクト パブリッシング)の略で、Amazonの電子書籍出版サービス。2012年10月、このサービスが日本でスタートしたことにより、個人が誰でも自由に、し かも無料で電子出版が出来る時代の幕開けとなった。

 

Amazonから電子出版する場合、電子書籍作家は一定のルールに沿って進めていく必要があります。まず、次の図をご覧ください。

【Amazon KDP パブリッシングサイクル】

KDPpablishing

Amazon KDP パブリッシングサイクルより

ご覧の通り、Amazon KDPパブリッシングサイクルは、全部で9つの工程から構成されています。夫々の工程の意味をしっかりと把握することで、スムーズな電子出版を行うことが可能になります。

それでは、KDP パブリッシング サイクルー3のポイントについて見て行くことに致しましょう!

 

1.KDP パブリッシング サイクルー3(前半)

 

KDPパブリッシングサイクル3は、「 本のプレビューを表示する」です。ここで言う“本”とは、もちろん、あなたが発行する電子書籍のことです。

Amazon Kindleストアにて、あなたの電子書籍を出版する場合、このプレビューの工程は、どうしても欠かせない重要な意味を持ちます。なぜなら、快適な読書体験を提供するためには、このプレビューの工程を出来るだけ丁寧にきちんと行うことが最善の方法となるからです。

 

紙書籍の場合、印刷所で刷り上がった本は、実際に発売する本と同じものです。しかし、電子書籍の場合、ちょっと事情が異なります。

電子書籍データをAmazonにアップロードすると、Amazonのシステムが発売できるKindle本に自動変換します。ですから、たとえ出版者と言えども、読者が実際にダウンロードするのと同じ本を、発売前に見ることは出来ないのです。

電子書籍データを作る際、作成ソフト上で電子書籍の見え方を確認することが出来ますが、あくまで目安としての確認になります。

 

事前に最終的な不具合がチェック出来ないのは、出版者として不安が残ります。しかし、ご安心を。この問題を解決するために、Amazonからプレビューツールが提供されています。

このプレビューツールは、基本的に先程のAmazonのシステムが行う自動変換と同じことを行うものです。このツールを使って、しっかりプレビューを行うことで、発売されるKindle本のクオリティ確認することが出来るのです。

 

それでは早速、プレビューの方法について、必要な手順と各ポイントについて解説して行きましょう。

 

1-1.シンプルプレビューツールのインストールについて

Amazonが提供しているプレビューツールには、シンプルプレビューツール拡張プレビューツールの2種類が提供されています。

どちらのプレビュールツールも、実機のKindle端末で確認する前に、手軽に何度もプレビューするのに最適です。また、Kindle端末を所有していない場合、もしくは所有しているKindle端末以外の表示を確認するためのツールとして活用出来ます。

とは言え最終的には、実機のKindle端末で見え具合の確認をされるようお勧め致します。実際に手元の端末に表示させて確認すると、PC画面上では発見できなかったエラーを見つけることがよくあるからです。

 

それでは、最初にシンプルプレビューツールについて見て行きましょう。

プレビュー出来るKindle端末は、Kindle Firre HDKindle Firre HDXKindle Firre HDX 8.9Kindle Paperwhiteの4機種になります。

 

・シンプルプレビューツール
シンプルプレビューツールを使用すると、ブラウザ上で簡単にコンテンツをプレビューすることができます。シンプルプレビューツールでは、Kindle Fire, Kindle Fire HD, Kindle Fire HD 8.9 and Kindle Paperwhiteでどのように表示されるかをプレビューすることができます。
(Amazon KDPより)

 

この、ブラウザ上でというのがポイントになります。つまりオンライン状態を指しています。
オンラインのため、予めソフトをインストールする必要がありません。AmazonのKDPにアクセスして使うことが出来ます。

また、オンラインで利用するには、事前にAmazon KDPにデータをアップロードしておく必要があります。

表紙本文アップロードキャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

電子化データの作成具合に応じて、シンプルプレビューツールを使用し見え具合を確認するためには、その都度Amazonにデータをアップロードする必要があります。

使用するまでの時間と手間を考えれば、現実的には完成した電子書籍データの確認として使用することをお勧めいたします。

 

1-2.シンプルプレビューツールの使い方について

プレビューしたいデータのアップロードが成功したら、「本をプレビュー」をクリックしましょう。

プレビューをするキャプチャ

  ・参考イメージ:Amazon KDPより

このような表示に変わります。割と負荷のかかる作業をさせていますので、しばらく、そのままで待っていましょう。

シンプルプレビューツール開始キャプチャ ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

程なく、このような画面に切り替わり、プレビュー出来るようになります。ご覧のようにKindle端末に表示させた状態を確認できます。

プレビューア画面キャプチャ ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

実際のKindle端末と同様、フォントサイズ、ページの移動、リンク先への移動、端末の縦表示、横表示等を確認出来ます。また、端末ごとの表示の違いも確認できます。各端末の画面サイズの違いによる表示文字数の違いなども確認することが出来ます。

全ページ確認するには時間を要しますが、各ページ毎の表示不良、作動ミスなどを丹念にチェックしてみましょう。読者満足度を高めるために必要な工程と言えるでしょう。

全ページの確認が終了したら、ブラウザの戻るボタンで、KDPの画面に戻りましょう。もし、表示上の不具合等々を発見したら、電子書籍作成ソフトで修正を行いましょう。

特に、不具合がなかった場合は、シンプルプレビューツールでのプレビュー作業は完了となります。各Kindle端末で、あなたの電子書籍が問題なく表示できることが確認できました。

 

 

1-3.シンプルプレビューツールの注意点について

お使いになられているPCおよびインターネット回線状態により、シンプルプレビューツール上の作業が遅い場合があります。

例えば、プレビュー画面のページを進める度に、読み込み時間を必要とし待たされることがよくあります。そのため、必ずしも快適な使い勝手とはいえません。時間的な余裕をみて、プレビュー作業に取り掛かりましょう。

 

オンラインということは、常にAmazonの最新の変換ソフトでプレビューが行われることを意味します。Kindle端末も、毎年新しい機種が発売されています。すべてを検証用に購入することは出来ませんので、オンラインのシンプルプレビューツールを上手に使って行きましょう!

 

表紙の表示具合、NCX(注)の表示具合なども確認してみましょう。画面表示の上部に、移動というメニューがありますので、そこから確認することが出来ます。細かい部分ですが、NCXの折りたたみ(電子書籍作成ソフトSigil上で作成可能)が上手に表示できるかも確認するようにしましょう。もちろん、NCXを折りたたまず全部を一覧表示させることも可能です。

(注)NCX ──論理目次。Amazonで販売されるすべてのKindle本に必要とされる目次。Kindle端末の移動メニューからアクセスを可能とする重要な項目。

 

 

 

2.KDP パブリッシング サイクルー3(後半)

次に、拡張プレビューツールについて見て行きましょう。こちらは、専用のソフトウェアでプレビューを行います。

最大の特徴は、オフラインで使えることです。あなたが電子書籍作成ソフトで作成したEPUB(注)データを、その都度読み込ませて、検証することが出来ます。

(注)EPUB ── “Electronic PUBlication”の意味を持ち「epub」「ePub」などと表記される場合もある。そのオープン性と単純さから、対応する電子書籍のハードウェアやアプリケーションソフトウェアは多く、電子書籍用ファイルの標準規格になっている。

 

 セルフ・パブリッシング(自己出版)では、電子書籍を自分1人で作るわけですから、その作業は時間との戦いです。

電子書籍の作成が終盤に差し掛かり、時間がいくらあっても足りない状況になってくると、オフラインで使える拡張プレビュールツールは大いに助かります。

KDPにアップロードしてからプレビューするシンプルプレビューツールと比較すると、その時間と手間はかなりの節約になるでしょう。

 

それでは早速、プレビューの方法について、必要な手順と各ポイントについて解説して行きます。

 

2-1.拡張プレビューツールのインストールについて

インストールは、KDPの画面から行います。

拡張プレビュールツールDLキャプチャ ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

お使いのPCの種類により、WindowsもしくはMacをクリックします。(以下、Windows 7でのインストール状況になります)

ブラウザの種類によって、このような表示が出ますので、「ファイルを保存」をクリックしてください。

拡張プレビュールツールDL保存キャプチャ・参考イメージ:Amazon KDPより

 

自動的に、ダウンロードが始まります。ダウンロードするファイルのボリュームが大きいので、3分から5分程度待ちましょう。 ダウンロードが完了すると、ダウンロードの保存先に、「KindlePreviewerInstrall.exe」のアイコンが現われます。見つけたら、アイコンをダブル・クリックします。

拡張プレビュールツールの正式名称は、「Kindleプレビューア」です。拡張プレビュールツールインストールアイコンキャプチャ

画面の指示にしたがって、インストールを進めてください。
セキュリティの警告が出ますが、「実行」をクリックしてください。

KindlePreviewerIns1-1キャプチャ
言語の選択では、ここは迷わず「Japanese」を選択しましょう。

Kindleプレビューアインストール2キャプチャ
ライセンスの契約書では、内容を確認し「同意する」をクリックしましょう。

Kindleプレビューアインストール3キャプチャ

 

インストールフォルダを選択します。任意で選ぶ以外は、そのまま「インストール」をクリックしましょう。

KindlePreviewerIns4-1キャプチャ

インストールが始まりますので、完了まで待ちましょう。

Kindleプレビューアインストール5キャプチャ

インストールが完了しました。「閉じる」をクリックして終了です。

Kindleプレビューアインストール6キャプチャ

Kindleプレビューアを立ち上げるには、スタートボタンから、「すべてのプログラム>Amazon>Kindle Previewer>Kindle Previewerのアイコンをクリック」して、起動させます。

次回のことを考え、アイコンを右クリックして、「スタート メニューに表示する」を選択し、スタートメニューで選択できるようにしておきましょう。

 

Kindleプレビューアは、KDPで電子出版する人だけが使うソフトウェアです。そのため、誰もが使う市販のソフトウェアのように、ユーザーフレンドリーには出来ていません。デスクトップ上に自動的にアイコンは作成されませんので、自分で使いやすいようにする必要があるのです。

 

Kindleプレビューアを起動させると、このような画面が立ち上がります。

極めてシンプルな画面です!

 

Kindleプレビューア起動キャプチャ

 

 

2-2.拡張プレビューツールの使い方について

電子書籍を実際に作成する場面では、拡張プレビュールツール =「 Kindleプレビューア」を使うケースが多くなります。

 

原稿の段階では完璧に思えても、いざKindleプレビューアを使い表示具合を確かめてみると、きっと修正箇所が沢山みつかることでしょう。修正箇所を直して再度プレビューすると、また別な修正箇所が見つかり修正してプレビューする……この作業が何度も繰り返されることになるのです。

 

読者に快適な読書体験を提供するため、Kindleプレビューアの使い方をしっかりマスターしておきましょう。

Kindleプレビューアの目的は、あなたの作成したEPUBファイルがきちんと出来ているかどうかの確認です。“きちんと” という意味は、Amazonで電子出版が可能かどうかということになります。

まず最初に、あなたの作成したEPUBファイルをKindleプレビューアに読み込ませます。あなたの作成したEPUBファイルを、下の図の赤で囲んだあたりにドラックしてください。適当な場所で離すと、自動的に読み込み作業が開始します。

 

KindlePreviewer使い方1キャプチャ

 

EPUBファイルに問題がなければ、「Kindleプレビューアにより本が正常にコンパイルされました」と表示されます。意味は、「あなたのEPUBデータは、電子書籍として正常に変換されました」ということです。

Kindle本は、EPUBファイルをKindle形式に変換することで作られます。あなたの作成したEPUBファイルに何らかの不具合があると、コンパイル出来ませんと表示されます。この場合、Amazonから電子出版することが出来ません。電子書籍作家としてドキドキの瞬間です。

KindlePreviewer使い方3キャプチャ
このメッセージが出れば、EPUBファイルのKindle形式への変換は成功です。「OK」をクリックし、次に進みましょう。

 

コンパイルが正常に出来ても、「ただし、警告があります」と表示されることがあります。その場合は、「完了の詳細」をクリックして、コンパイルの詳細状況を表示させます。EPUBのどの部分に不具合があるのか確認しましょう。

経験上、“警告” の表示があってもコンパイルが正常に行われ、Kindleプレビューア上できちんと読むことが出来るのであれば、Kindle本としてAmazonより出版することができます。

エラーのないEPUBデータの作成は大事なことですが、あまりに追求しすぎて、いつまでも出版できないのは本末転倒です。電子書籍作家の目的は、あくまで電子出版することです。読書に影響が認められないのであれば、合格点だと理解しましょう!

 

Kindleプレビューア上に、あなたの電子書籍が表示されます。こんな感じで、実際の見え具合を確認することが出来ます。
KindlePreviewer使い方5キャプチャ

 

当然ですが、全ページ見ることが出来ます。また、画面の縦表示・横表示、文字の大きさ、フォント、背景色、表紙、目次、NCX表示、機種別の表示の違いを確認出来ます。

目次の各項目をクリックすると、実際に目的のページに移動します。また、リンク先へ飛ぶことも出来ます。特に外部リンクの場合、実際に目的のサイトへ飛ぶことができるか、一つ一つ丁寧に確認して行きましょう。

万一不具合がある状態で電子出版してしまうと、読者に不満足を提供する結果となってしまいます。読者が購入する場合は、正常であることが前提となっている訳ですから、念には念を入れて確認作業を行いましょう。

ここでの慎重な確認作業は、あなたの電子書籍のクオリティアップに確実に貢献するのです。

 

不具合がなくなり、すべて正常であることが確認できれば、Kindleプレビューアでのプレビュー作業は完了となります。各Kindle端末で、あなたの電子書籍が問題なく表示できるようになりました。

 

 

2-3.拡張プレビューツールの注意点について

コンパイルの表示のところで、「出力ファイルはここに生成されました」と書かれています。


KindlePreviewer使い方4キャプチャ

ここで言う、「出力ファイル」とは、EPUBデータから変換されたmobi形式のファイルを指します。発売前のKindle本の状態を、お手元のKindle端末で確認するには、このmobiファイルが必要になります。

シンプルプレビュールツールのところでも触れましたが、見え具合の最終的な確認は、実機のKindle端末で行うことが大切です。

方法は、とても簡単です。お手元のKindle端末のマイアカウントに表示されているEメールアドレス宛に、出力されたmobiファイルをEメールに添付して送信するだけです。

このサービスを、Kindleパーソナル・ドキュメントサービスと呼びます。

 

・Kindleパーソナル・ドキュメントサービス

Kindle端末に、mobiファイルを送信するには、送信するEメールアドレスの登録が必要になります。方法は、こちらのKindleのヘルプをご参照ください。

 

Eメールで送ったmobiファイルがKindle端末に反映するまで、約5分程度の時間を必要とします。従いまして、修正の都度Kindle端末に表示させて確認するのは相当の時間のロスになります。

オフラインで即時表示できるKindleプレビューアと、この実機のKindle端末上に反映させる確認方法を上手に活用しながら、ぜひクオリティの高い電子出版を目指して行きましょう。

 

 

まとめ

より良い状態の電子書籍を作成し電子出版することは、すべての読者に快適な読書体験の提供を約束するものです。

しかしながら、電子書籍の性質上、実際に発売されるまでは商品としての電子書籍を見ることが出来ません。これは出版者として非常に不安が残るところです。

今回見て来ました「KDPパブリッシングサイクルー3」は、この電子書籍作家の最大の不安を解消するのに最も有効な工程になります。

ところで、電子書籍のセルフ・パブリッシングの場合、確認はすべて自分1人となるため間違いを発見しにくいのは否めません。また、PCディスプレイ上でミスを見つけるのは、かなりの集中力を必要とするので、なかなか大変な作業になります。

しかしながら、オンラインを活用するシステムと、オフラインで使用できるソフトウェア。そして、Kindle端末上での最終チェック。この3つを上手に使いこなしていけば十分なチェック体制が可能になります。

前回のKDPパブリッシングサイクルー2と同様に、一つ一つ丁寧に進めて行くことが重要なポイントになります。どれか省略して、クオリティの高い電子書籍を作ることは出来ません。

また、プレビューの作業は、何度も何度も繰り返しながら完成度を高めていく作業です。思った以上に時間がかかりますので、くれぐれも時間に余裕をもって取り組むようにしてください。

 

本のプレビューが完了したら、次のステップは、「権利と価格情報」です。こちらも、電子書籍のセルフ・パブリッシングを行う上で、戦略的にとても重要なポイントになります。引き続き、しっかり解説させていただきます。

 

■「セルフ・パブリッシング(自己出版)の流れについて──KDPパブリッシングサイクルー4」へ続く(現在執筆中)>>

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